掌上の湖水より
湧きて立つ遍あらゆる懈怠たち
郷土なき返照に向け
悲あわれ昏くらく滲透していく
錆さばされの水滴と汝きみの开その索漠は
落魄した神秘に映る
竈へ焌くべる
ものの无なき
臓腑の相ごとき活字たち
二色刷の玻璃光プリズムよ灑そそげ
明るみの虚妄 春三月